「最初はすごく苦手だったんだ、三日月さんのこと。自分勝手で強引だし、しつこくて周りのことなんか気にせず僕に話しかけたりなんかするし…」


一方的に話すって、こんなに声震えるんだ。勇気いるんだ。
そんなこと、知らなかった。

あの頃の三日月さんは、僕に声をかけてくれるときこんな気持ちだったのかな。


「それで僕が、なかば折れる形で一緒に青春することになったんだよね」


そもそも僕は今までずっと一人だったから青春なんてものしたことなかったし。
これからもずっと一人で過ごしていくものだと思っていた。


「それで…どんなことしたの?」


遠慮がちに尋ねる彼女の声は、あまりにも小さくて、三日月さんっぽくなかったけれど。僕のことを覚えていないなら、仕方ない。


「ブランコでアイス食べたり、河川敷で四つ葉のクローバー探したり、屋上で大の字になって寝転んだり、一緒に虹見たり、夜に流星群を見たりしたんだ」


のどから次々と溢れる声は、ぜんぶ震えていて声が上擦ってしまう。

こんなの全然僕じゃない。


「……そんなに、たくさん」

「うん。全部、三日月さんがやりたいって言ったんだ」


あの頃は、どうしてそんなことをするんだろうって分からなかった。
ただ、青春をしたいなら他のやつとすればいいって何度も尋ねた。