「ねー、荘原(そうはら)マネって、もしかして政本(まさもと)のこと好き?」
部活の練習開始前の体育館で、同級生である女子バスケ部の北見(きたみ)さんが私の肩に手を置いた。みんなのドリンクボトルを長机に並べていた私は、突拍子なその質問に目を丸くする。
「え? なんで?」
「なんかさ、真梨香(まりか)が、そうじゃないかなーって言ってて。あ、ごめん、真梨香が政本が好きって内緒ね? だってさ、同クラのマネージャーってだけで、ほら、カップルになる可能性って高いわけじゃん? だからあの子、荘原マネのこと気にしててさ」
そこまで聞くつもりはなかったのに、詳しく説明しだす北見さん。友人思いなのだろうか、同じ女バスの根津(ねづ)真梨香さんのために、勝手に動いているのがわかる。
察した私は、微笑んで首を横に振った。
「全然だよ。だって私、他に好きな人いるし。それに、マネージャーだからって、そういう対象として思われてないよ、全く」
「マジ? あー、よかった。あ、いやいや、荘原マネは魅力的だよ? 縁の下の力持ちって感じで、みんな感謝してるし」
「ハハ。ありがとう」
北見さんは、誰とでもフランクに話せるような明るいタイプの女子だ。サバサバしていて、率直にものを言う。おでこ全開のポニーテールも、よく似合っている。
「ちなみに、好きな人ってバスケ部の男子?」
「違うよー」
部活の練習開始前の体育館で、同級生である女子バスケ部の北見(きたみ)さんが私の肩に手を置いた。みんなのドリンクボトルを長机に並べていた私は、突拍子なその質問に目を丸くする。
「え? なんで?」
「なんかさ、真梨香(まりか)が、そうじゃないかなーって言ってて。あ、ごめん、真梨香が政本が好きって内緒ね? だってさ、同クラのマネージャーってだけで、ほら、カップルになる可能性って高いわけじゃん? だからあの子、荘原マネのこと気にしててさ」
そこまで聞くつもりはなかったのに、詳しく説明しだす北見さん。友人思いなのだろうか、同じ女バスの根津(ねづ)真梨香さんのために、勝手に動いているのがわかる。
察した私は、微笑んで首を横に振った。
「全然だよ。だって私、他に好きな人いるし。それに、マネージャーだからって、そういう対象として思われてないよ、全く」
「マジ? あー、よかった。あ、いやいや、荘原マネは魅力的だよ? 縁の下の力持ちって感じで、みんな感謝してるし」
「ハハ。ありがとう」
北見さんは、誰とでもフランクに話せるような明るいタイプの女子だ。サバサバしていて、率直にものを言う。おでこ全開のポニーテールも、よく似合っている。
「ちなみに、好きな人ってバスケ部の男子?」
「違うよー」