「一週間に何日パンなんですか?」
「んー、四日とか」
「え? そんなにですか?」
「うん」
なんの違和感もなくけろりと言ってのけるあお先輩に少し驚いた私。
四日ってもう一週間のほとんどだよ。
残り一日だけがお弁当ってこと?
「それ、栄養偏りませんか?」
「まぁ偏るだろうね」
口元を緩めて笑った先輩。
私と話す間も食べる手は止めようとはしなくて、新しいパンもすでに半分が減っていた。
でも、とわずかに目線を下げた先輩は、ふいに、食べるのをやめる。
「パン好きで食べてるからいいんだよ」
嬉しいような悲しいようなそんな笑顔を浮かべていた。
「そんなに好きなんですか?」
「まぁね」
短く答えると、パンをかじった先輩。
その横顔はなんだか寂しそうに見える気がしたのは、気のせいなのかな。
まあでも、先輩がパン好きなら仕方ないんだろうけど、四日間もパンって栄養偏るよね。
だからといってお弁当を作ってあげるほどの仲でもないし……。
「それ」
突然、二文字を呟いた先輩に視線を向けると、私のお弁当へと指を差していて、
「…どれですか?」
答えながら、先輩の指とお弁当を交互に見つめると、
「からあげうまそう」
「からあげ好きなんですか?」
「あー、うんまぁそうなんだけど…」
なんて中途半端に答えたあと、なかなか口を割らないから、
「あお先輩?」
声をかけると、
「やっぱ、なんでもない」
お弁当から視線を逸らすと、コーヒーを飲んだ先輩。
「それより」また私へと視線を戻すと、