すると、一分も経たないうちにピコンッと通知のお知らせが鳴った。
「……あお先輩だ…」
ベッドの上で体育座りをして、スマホ画面に夢中になる。
『こちらこそフォローありがとう。今日は学校どうでしたか?』
あお先輩、私のこと気遣ってくれてる。
もしもそれがただのお世辞で言ってくれている言葉だとしても、私にとっては嬉しくて胸に染みてじーんときた。
あお先輩からの返信を読んで、体育座りのままベッドへ倒れ込んだ。
どうしてそこまで優しいんだろう。
私のことを気遣ってくれるんだろう。
涙が出そうになって、しばらくスマホをベッドの上へ放置した。
いい子じゃない私は、すごく弱い。
精神的にとても傷つきやすい。
だからちょっとした言葉で我慢していたものが込み上げてくる。
『いい子』
ふと、頭に浮かんだ疑問。
モゾッと起き上がりスマホを手にとると、私はそれを文字に起こした。
『……あお先輩は、いい子についてどう思いますか?』
あお先輩からの質問には一切答えずに、私の疑問を尋ねてみた。
投稿ボタンを押す。
いつもより少しだけ時間がかかる。
あお先輩悩んでいるのかな? それとも答えづらい質問だったのかな?
心配になり訂正の言葉を綴ろうと思った矢先、ピコンッとスマホが鳴る。
私は、画面を見つめた。
『いい子って言葉はあまり好きじゃないかな。……それってなんか、自分の都合のいい人をいい子って呼んでる気がする。誰かにとっていい子だとしても別の人にとってはいい子じゃなくなってるかもしれないし』
書かれていることの半分も理解できていない感じがするのに、それでもその言葉を読むと、私の心にストンッと落ちた気がした。
"いい子"
それは褒め言葉でもあると思う。
それと同時に対照的な意味にもなり得る。
私はいい子じゃないといけないんだよって言われているみたいで苦しくなるんだ。