フォローしたまま何も返せずにいたことを思い出した私は、ごはんを食べ終えたあと、すぐに部屋に戻る。


SNSを開くけれど、あお先輩からのメッセージはまだ届いていなかった。
あ、そっか。私がまだ返信できてないからか。
それにしてもどうしてフォローしてくれたんだろう。
私のことを心配して?
いやでも、ただの気まぐれでフォローしてくれただけかもしれない。

あお先輩のページに行っては戻り、行っては戻りを繰り返した。
その間にも時間は一分、三分、五分と過ぎてゆく。


「……こうなったら……」


フォローのお礼だけでもしておこう。
べつにそれだけなら問題はないはず。


『あお先輩、フォローありがとうございます』


間違いがないか、おかしくないか何度も何度も確認をした。
あとは、投稿ボタンを押すのみ……

お話をする約束をしていたわけじゃないから、一方的な連絡は鬱陶しがられるかもしれない。
考えれば考えるほど震える指先。


「……ダメダメ。これじゃあ明日になっちゃう」


ふるふると首を振ったあと、すーはーと呼吸を整えて、ベッドに置いていたスマホに左手で固定した指先をトンッと当てた。
すると、すぐに送信しましたと表示される。

緊張したせいで指先から汗が滲んでいるような気がした。

ほんの数日前までは、一人ぼっちのSNSの世界だったのに、私を見つけてくれたあお先輩。
やっぱり私にとって特別な存在たと思った。