私は、今日の苦しみをまたSNSに投稿した。


『自分は一体、何をしたいのかな。こんな生活、何のためになるのかな』


それを誰かに答えてほしいのだろうか。

私には、フォロワーがいない。
だから当然のようにコメントがつくはずない。
それなのに、なぜか私は期待してしまう。

たった一度だけコメントをくれた、あの"あお先輩"が、もう一度声をかけてくれないかな、と。

どんな人なのか分からない。
現実とは違う世界にある仮想空間で、だから現実では"あお先輩"という人は存在しない。
でも、だからこそ私は素の自分をさらけ出すことができるのかもしれない。


考え事をしながらボーッとしていると、ピコンッと通知のお知らせをする音が鳴る。

それは、やはり"あお先輩"だった。


『どうしたんですか。また何かあったんですか?』


私のことをフォローしているわけじゃないのに、こうやってコメントが来るのは、わざわざ私を探してくれているということ?
でも、そもそもどうやって私のことを見つけたんだろう? ただの興味本位? それともランダムに手当たり次第?
分からなかったけど、そんなことどうでもよく感じて、私は指先を動かして文字を打つ。


『今の居場所がほんとに私の居場所なのかなと不安になってしまって……』


投稿ボタンを押して、しばらくすると、またピコンッと通知の音が鳴る。
返信早いなあ、なんて思いながら画面を見ると。


『居場所って、学校か何かってことですか?』


ああ、そっか。私、まだ何も説明なしに居場所って言ってたのか。
まだ全てを打ち明ける勇気はないけれど、顔も名前も会ったこともない人なら、現実世界のことを多少話しても何も問題はないだろう、そう思って指先を動かした。