三人でここにいるはずなのに、なぜか感じる疎外感。孤独感。
身体はここにあるのに、心はどこか別の場所へ行っているような虚無感。
きみの居場所はここじゃないよ、頭の中で誰かに告げられる。
分かってるんだよ、そんなこと。
けれど、今一人になってしまうと、私はほんとの意味で孤独になってしまう。
それだけは耐えられない。


「ねえ七海。今度みんなで遊び行こうよ!」


ふいに話を振られて、えっ、と困惑していると、

「七海が大丈夫なときでいいからさ!」
「そうそう!」

二人して私を見つめる。


『笑えばいいよ』

頭の中で誰かが声をかける。


「…うん。分かった」


笑って返事をすると、約束だからね、と二人して笑うと、雑誌に視線が戻った。


高校生の口約束は、どれだけ効力を持つのだろうか。
私はそれに頷いたけれど、果たしてその未来はやってくるのかな。
二人は、きっと約束を守ると思う。
けれど、私はどうなのかな。
そのときまで、まだ二人のそばでいい子を演じ続けることができているのだろうか。

いい子でいなければならない。
その重圧と苦しみが、私に重くのしかかる。
今すぐにでもリタイアしてしまいたい。
けれど、本来の私がどんな姿形をしてどんなふうに笑っていたのか思い出すことができない。
それほど昔に、本来の私を見失っていた。

──いや違う。
壊れてしまったと言うべきなのかな。
七年前の、あの日を境に。


その代わり、笑顔は私の仮面。
強くなるための鎧なの。

仮面を被っていれば私は、どんな人にでもなれる気がするんだ──。