そして、一度目をぱちくりさせたあと、

「みおりのこと、おこってない?」

おずおずと尋ねられた。私はそれに、ゆっくりと頷いて

「怒ってないよ。びっくりさせちゃって、ほんとにごめんね」
「…ほんとに?」
「うん、ほんとだよ」


それを聞いた美織ちゃんは、早苗さんの後ろから現れると、私に向かって小さな手を伸ばしてくる。

その意図を汲み取ることができずにいると、


「あのね、多分それ、仲直りしようって意味だと思うの」

早苗さんが代わりに答えると、

「だよね、美織」
「うん!」

大きく頷いた美織ちゃんは、

「みおりね、なみちゃんのことだいすきなの。だからね、なみちゃんとなかなおりしたいの!」

素直に大きな声で告げた。


私は、なんだか泣きそうになって、俯くと、

「なみちゃんどうしたの?」

心配そうな声が聞こえて、顔をあげる。

「ううん、なんでもない」


笑って答えると、私は差し伸ばされていた手のひらをきゅっと握った。

そして。


「仲直り、しよっか」
「うん!」

小さな手のひらは、柔らかくて優しくて、そしてとても温かかった。

顔をにんまりとさせて笑う美織ちゃん。

なんだか、胸が熱くなった。


「あのね、七海ちゃん」

ふいに私へと声をかける早苗さんに視線を向けると、


「こんなこと頼める筋合いじゃないんだけど……」

言って、悲しそうに瞳を揺らしたあと、

「今度、時間あるときにビーズでブレスレットを作るの教えてくれないかな?」
「え?」
「美織ね、すごくあのブレスレット気に入ってたみたいで。いつも嬉しそうに笑ってたの」