「本当に守ってくれる? また会えるかな……」


しかし、彼がどこの誰なのかわからない私には、再会を願うことしかできなかった。



翌日は金曜日。

カエルに襲われたあとではあるが、気持ちを引き締めて仕事に頭を切り替えた。

十文字くんは、始業二分前に滑り込んできてセーフ。
ハラハラしているのは私だけで、彼は涼しい顔をしている。

やっぱり似てる?

ぷっくりした下唇が、昨日の銀髪の人によく似ている。

しかし、十文字くんからはカエルを蹴散らす姿は想像できないし、『俺が守ってやる』なんてしびれるようなセリフが出てくるとも思えない。

でも、串さとの店長をけん制したときの彼なら、できる? 
いや、さすがに別人よね。

毎日恒例の服装、髪形チェックをしていると、真由子が含み笑いをしている。

おそらく、〝デート〟に誘うと思っているからだろう。
彼女も変身した十文字くんに興味津々なのだ。