私はあなたの努力を知っているよという意味で言葉に出すと、彼は実にうれしそうに微笑んだ。
「篠崎さんに褒められると、僕、頑張れそうです」
「ほんと? それじゃあ今日は新規開拓も任せるわ」
「そっ、それは無理です」
動揺しすぎよ。
「はい、あと一分五十一秒」
「嘘……」
再び資料に没頭し始めた彼を見ながら、「私も、十文字くんと一緒だと頑張れるよ」と心の中でつぶやく。
「三、二、一、終了」
「覚えました!」
「よく頑張りました。続きは現場で教えるから。はい、行くよ」
「待ってくださいよ」と情けない声を出しつつも、必死についてくる彼がかわいくてたまらない。
ただ、恋愛対象となるとちょっと……。
神様のほうのキャラじゃないとなあ。
でも……。
「やっぱり、十文字くんと一緒だと楽しいや」
「本当ですか? 篠崎さん、録音しますからもう一回言ってください。……あっ、スマホ忘れた」
「まったく」



