あぁぁ、流されるところだった。
あの無駄な色気はなんなの?
普段の十文字くんと違い過ぎて、だからこそ余計に胸が疼いてしまった。
「嫁って……」
私、プロポーズされたの?
台所に行ったものの、十文字くんの告白が頭をぐるぐる回って調理どころではない。
神様からの求婚という想定外すぎる出来事に、頭が真っ白になった。
なんとかハンバーグを作って、緊張しつつも十文字くんのところに顔を出した。
「ハ、ハンバーグができたけど、食べられる?」
「篠崎さん! 来てくれたんですね。お腹が空いて死にそうです」
あれっ、人間のほう?
私がキスを拒否したから、不貞腐れて中に潜った?
しかも無邪気にご飯の催促とは。
まさか、あの熱烈な愛の告白を覚えていないわけじゃないよね……。
「ねぇ、さっきの話だけど……」
「さっき? 僕、寝言言いました?」
これは間違いなく記憶が飛んでいる。
納得はしたが、緊張したのがバカみたいだ。



