神様の教育係始めました~冴えない彼の花嫁候補~


「銀くんから大体の話は聞いたの」
「そうか」
「神様って、びっくりだよ。そんな存在が本当にいるなんて、まだ信じられない」
「うん。そうだな」


彼はわずかに頬を緩める。


「でも、高天原から追い出されたって……。なんか納得しちゃって」
「失礼なヤツだ」


懸命にテンションを上げてクスクス笑ってみせると、彼も白い歯をこぼす。


「だって、服装も髪形もだらしないし、見てよこの部屋。どうしたらこんなに散らかるの?」

「人間の十文字志季がそういうヤツなんだよ」

「でも銀くん、神様のほうの十文字くんも高天原にいた頃からぐうたらで、相乗効果だって言ってたよ?」

「銀のヤロウ……」


彼は憎まれ口をたたいてはいるが、本当に怒っているわけではなさそうだ。
目が笑っている。


「傷、まだ痛む?」
「少しな。そんな顔すんな。大丈夫だから」


私が眉間にシワを寄せたからか、彼のほうが心配している。