神様の教育係始めました~冴えない彼の花嫁候補~


しかし、ちらりと見える大胸筋ががっしりとしていて、へっぴり腰の十文字くんがこんなに筋骨隆々だとは知らなかった。

銀髪の男で間違いない。

額に少し汗をかいていたので、置いてあったタオルで拭いながら話しかける。


「十文字くん、ごめんね。私のせいでこんなケガ……」


彼が高天原から追い出されたのは私のせいではないけれど、仰せつかった特別任務に命をかける羽目になるとは気の毒だ。

私が大蜘蛛のような力を持ったもののけに食べられて不老不死になってしまわれては、神様たちも困るのかもしれないが、それを阻止する役割が彼ひとりだなんて。

銀くんが話していた通り、スサノオの末裔だからなのかな。

どうやら模範的では決してない神様らしいが、ヤマタノオロチを倒したような力のある神様の血を引く彼ならできると見込まれたのだろう。


今日一日、ふとした瞬間に頭に浮かんだのは十文字くんのことばかり。