しかも、これからまたたくさんのもののけたちに悩ませられるのだろうと気が重くなる。
でも、それは私の事情だ。
「十文字くん、本当に大丈夫かな」
薬のせいか眠り続けている彼本人に体調を尋ねることもできない。
「はい。ただ、治癒には少し時間がかかりそうなので会社はお休みすると思いますが」
「それは心配しないで」
私がひとりで回ればいい。彼が来る前に戻るだけだ。
「とりあえず、スパゲティ作ろうか」
「お願いします!」
ずっと十文字くんの面倒を見てきた銀くんにもご褒美をあげなくては。
今、十文字くんにしてあげられることはないと思った私は、銀くんのお腹を満たすために台所に向かった。
その日はひと晩ついていたが、十文字くんが目覚めることはなく、話もできなかった。
翌日からはひどい風邪を引いたということにして会社を休むことになった。
私も心配でそばにいたかったが、銀くんがなにかあったら連絡すると約束してくれたので、うしろ髪を引かれる思いで出社した。



