しかし彼らは、主従〝ごっこ〟ではなく、本当に主従関係だったのだ。
十文字くんを指導してきた立場としては、ため息をつきたくなる気持ちはよーくわかる。
「うーん。そうね……。たしかに冴えないけど、真面目で優しい人だよ」
もう少し仕事ができてくれるとありがたいが、きっと向いていない営業職に就いたのも私を守るためだっただろうし、彼なりに努力しているのはわかっている。
だらしない部分はなんとかしてほしいけど。
それに、こんな大ケガまでして私を救ってくれた彼に、文句なんて言えない。
高天原に帰るための条件が私を守るということだけなら、深沢さんや米山さんを犠牲にしてもよかったはず。
しかし彼は自分の身を危険にさらしてもふたりを傷つけない選択をしてくれた。
絶対に優しい人、いや神様だ。
「そうですね。優しいという点のみ認めます」
銀くんからは、なかなか厳しい点数がついているようだ。



