深沢さんの歓迎会のとき、『僕のそばにいてください。離れないでくださいね』と甘えられたと思っていたがそれは勘違いで、離れないことで私を守ろうとしてくれていたのかもしれない。
それと似たようなことが何回もあったような。
それらは全部私のためだったのか。
「そっか。でもあの蜘蛛が、会社で私を襲わなかったのはどうしてだろう」
ふと湧いた疑問が口をつく。
深沢さんに憑依して求婚するなんて回りくどい方法をとらなくてもいいような。
「少し生々しいお話をしますと、丸ごとすべて食べなければ不死の力は手に入りません。途中で邪魔をされてはすべてが水の泡。そのため、慎重になっていたのでしょう。もちろん、志季様が近くでけん制していたのもあるでしょうが」
甘い言葉で誘い込んで、完全にふたりきりになるのを待っていたのか。
事実を知れば知るほど、気分が悪くなる。
「そう、だったんだね」



