神様の教育係始めました~冴えない彼の花嫁候補~


ということは、あの銀髪の人は神様ってこと? 
それで、十文字くんが同じケガをしているってどういうこと?


「あやめ様。お茶、飲まれます?」


小さいくせに気が利く銀くんが出ていこうとするが、私は捕まえた。
逃がさないわよ。


「なに隠してるの?」
「な、なななななにも」


オロオロしすぎ。隠していることがバレバレだ。


「ミートソーススパゲッティを作ろうと思ってたんだけどなぁ」
「食べたいです!」
「それじゃあ、説明して」


畳をトントンと叩くと、彼は観念して正座した。


「志季様に怒られます……」
「あとで私が怒らないように言うから」


私の予想が正解なら、おそらくこれからとんでもない告白が待っている。

私が十文字くんにもののけの存在を話しても動じなかったのは、そういうことだろう。


「志季様は……お察しの通り神です」
「神様って本当にいるんだ」


チラリと十文字くんを見てしまう。