なぜか私を中に入れることをためらっていた銀くんだったが、スーパーの袋を掲げるとあっさり承諾した。
「学校は?」
「うーんと、ちょっとお休みです」
まさかずる休み?
私がとやかく言うことじゃないか。
「十文字くんは大丈夫かな?」
「は、はい……」
なぜか声が小さくなる彼に首をひねる。
台所に行き冷蔵庫に食材を押し込んだあと、再び廊下に出て「十文字くん」と呼んでみたものの返事はない。
もしかして相当ひどい?
私も切羽詰まってここに来てしまったが、彼も他人の話を聞く余裕がないかもしれない。
「銀くん?」
銀くんまでいなくなったので不思議に思い、以前寝かせてもらった部屋をのぞいた。
すると十文字くんらしき人が布団にくるまっていて、銀くんがなぜか布団ごと押し入れの中に引っ張り入れようとしている。
「わわわわ」
「どうしたの?」



