そしてあの青白く光る剣は役目が終わったと言わんばかりに、空高く上がっていく。

助かっ、た?

銀髪の男は腰が抜けて立っていられなくなった私を座らせたあと、自分はひざまずいて見つめてくる。


「まったく無謀な女だ」
「ごめんなさい」


でも、自分をおとりにするくらいしか思いつかなかった。


「無事でよかった。もう大丈夫だ。急所を突いたから、今度こそ逝った」


彼はささやきながら、私を強く抱きしめる。


「あやめの勇気のおかげだ。よく頑張ったな」


優しい言葉をかけられて涙腺が崩壊する。
しかし、彼のケガが気になって仕方ない。


「血が……」
「あぁ、久しぶりにやられてしまった」


呑気に話している場合? 
こんなに出血したら、死んじゃうよ。

血だまりがみるみるうちに大きくなるのに気づいて慌てる。


「病院!」


私がしっかりしなくてはと思ったら、震えが止まった。


「大丈夫だ」
「わけないでしょ!?」