とりあえず深沢さんが無事でいることだけは確認できたが、実に後味の悪い終わり方だ。
彼自身の意思ではなかったプロポーズも、覚えてはいないだろう。
「あっ、真由子。深沢さんのこと気になってたんじゃないの?」
すっかり頭から飛んでいた。
「恋じゃないわよ。観賞対象? いい男って見てるだけで元気になれるじゃない」
やはり恋までは行ってなかったか。
予想は的中していた。
「そう……」
「私、最近年下が気になるのよね。あやめと十文字くん見てるからかな」
思いかげないことを口にされて、目が点になる。
彼女は年上ハンターだったのに。
「どうして私たちを見ているとそうなるの?」
「母性本能くすぐられちゃってるじゃない。私も、少し前までは守ってもらいたい願望でいっぱいだったけど、守ってあげるほうもいいかなって」
そうは言うが、彼女はタイプがコロコロ変わるので一時的なものだろう。
真由子には自覚がないようだけど、好きになった人がタイプなのだ。