「おはよう。元気ね」
彼もまた髪がピヨンと立っている。
さすがは兄弟だ。
「オムライス、おいしかったです」
「よかった。今、十文字くんに買い物に行ってもらってるから、朝食も作るね。あと、勝手にさわったら悪いと思ってなにもしなかったんだけど、家事のお手伝いはするよ?」
昨晩は泊めてもらえて本当に助かったから。
「洗濯をしないといけないんですけど」
「それじゃあ、やろう。着替えておいで」
ニッと笑った彼は駆けだしていった。
Tシャツとズボンに着替えてきた銀くんは、楽しそうに私の手を引く。
お父さんは海外で仕事をしていて、お母さんはいないと言っていたけど、寂しいだろうな。
私が洗濯機に洗剤や柔軟剤をセットすると、彼がスタートボタンを押した。
「毎日お手伝いしてるの? 偉いね」
「志季様はなにもできないんですよ。洗剤を入れ忘れたり、干すのを忘れたり……」
「ほんとに?」