翌朝。目を覚ますと太い柱にかかる時計は九時を指している。


「眠れた……」


しかもぐっすり。
久しぶりに体が軽い。

隣に視線を移すと銀くんが大の字で布団を蹴散らしているのでかけてあげた。

浴衣ははだけていてもはや役に立たず、お腹に帯がかかっているだけで冷えそうだ。

そしてその向こうには……。
銀くんと同じく大の字で寝息を立てている十文字くん。

かろうじて布団を被っているのでお腹は露出していないが、襟元がひどく乱れているのでおそらく銀くんと同じ状態だろう。


「パジャマのほうがよくない?」


昨晩は浴衣もいいな、なんて思ったけれど、このふたりに関しては絶対にパジャマじゃないと。

まだぐっすりのようなので、先に布団を抜け出した。

昨日の洋服に着替えたあと社務所を出て、神様が祀られている社に向かう。
五円玉を賽銭入れに投げて手を合わせた。


『お邪魔してすみません。昨晩は守ってくださってありがとうございました』