焦ったものの、敷かれた布団に潜り込んだあとは妙に落ち着いた。

最近、もののけの気配を感じながらの就寝だったので、誰かがそばにいてくれることで安心できたのかもしれない。

それに今日は嫌な空気も漂っていない。

同じように布団に入った十文字くんは、すぐに眠りについたとばかり思っていたのに、「篠崎さん」と呼ばれた。


「うん」
「さっきも言いましたけど、ここには神様がいますから、ちゃんと守ってくれます」
「そっか。ありがと」


いつも彼には頼られてばかりだが、今日は頼もしい。

銀髪の人のように直接的に助けてくれる気は残念ながらまったくしないが、私にこれほど安心を与えられるのは十文字くんだけかもしれない。


「おやすみ」


私はもう一度あいさつをして目を閉じる。

絶対に眠れないと思っていたのに、睡魔に襲われていつの間にか深い眠りに落ちていた。