「あ……」
掃除はしてあるが、散らかりっぷりが十文字くんのデスクそのもの。
無造作にいろいろなものが積み上げられていて、洗濯物だろう洋服も脱ぎ捨てられている。
「すみません。片付けます」
「あぁっ、大丈夫」
そもそも私をここに連れてきたのは緊急事態だったからだ。
助けてもらったのに贅沢は言えない。
それに、今まで何度デスクを整頓するよう注意してもできないのだから、すぐに片付くとも思えない。
「それじゃあ、お茶を」
「私、やるよ?」
なにもかもやらせては悪いと思い彼に続くと、台所の片隅にはカップラーメンが箱買いしてあった。
「ねぇ、いつもなに食べてるの?」
「ラーメン?」
なんでそこ、疑問形?
「銀くんは?」
「ラーメン」
そうよね。
いくら面倒を見てもらっているといっても、幼い子が台所で食事を作っていたら驚きだ。