「スサノオの正統な子孫の俺に、お前らごときが敵うとでも思ったか?」

「へぇ、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ) か。そんなものを召喚できるとはね」


スサノオ? 天叢雲剣?

銀髪の男と深沢さんがなにを話しているのかさっぱりわからない。


様子をうかがっていると、銀髪の男が青白く光ったままの剣をブルンと一度左から右へと振る。

その瞬間、あんなにたくさんいたもののけたちの姿が一瞬で消え去った。


「え……」


カエルをひと蹴りして蹴散らしたのとは比べ物にならない。
この人、すごいかも。


「あやめに近づくなと忠告したはずだ」


やはり深沢さん自身がもののけ?


啖呵を切った銀髪の男は、驚くべき速さで深沢さんの懐に飛び込み、みぞおちに肘を入れた。


「あっ……」


あっという間に深沢さんが仰け反り倒れたとき、彼から巨大な蜘蛛が分離したので息を呑む。