会計を済ませ、ネックレスをショップ袋に入れようとした店員に、マキウスが声を掛けた。

「このネックレスを、この場で身につけることは出来ますか?」
「はい。出来ますよ。値札をお取りしますね」

 店員は手早くネックレスの値札を取ると、マキウスに渡してきた。
 受け取ったマキウスは、ネックレスの留め具を外したのだった。

「モニカ、後ろを向いて下さい」

 後ろを向くと、マキウスの腕が伸びてきた。
 身を固くして緊張していると、マキウスは買ったばかりのペリドットのネックレスを首に掛けてくれた。
 留め具をつけてくれると、肩を支えられて、近くの鏡の前まで連れて行かれたのだった。

「やはり、貴女によく似合いますよ」

 後ろから囁いてくるマキウスの吐息が耳に掛かり、バクバクと胸の鼓動が早くなる。

「あ、ありがとうございます……」

 モニカが赤面しながら礼を述べると、マキウスは満足そうに微笑んだのだった。

「ありがとうございました」

 店員に見送られながら、二人場店を出ると、またアーケードに戻ってきた。
 すると、マキウスは空を見上げたのだった。

「ああ、そろそろ朝ですね」
「わかるんですか」
「なんとなくではありますが……」

 マキウスはモニカの手を握った。
 今度は指を絡めた、恋人繋ぎであった。

「楽しかったですか?」
「はい。楽しかったです。マキウス様は?」
「私もです。見るもの、触れるもの、全てが新しくて、それに……」

 穏やかな表情を浮かべて頷いたマキウスは、モニカのネックレスに触れた。

「また、『貴女』を知ることが出来て、良かったです。今度は夢ではなく、実際に出掛けたいものです」
「その時を楽しみにしていますね!」

 マキウスを眺めていると、だんだんマキウスの身体が遠くなっていき、白い靄が掛かったように、視界が白く染まっていった。

 そこで、モニカは夢から覚めたのだった。