モニカが恐る恐る目を開けると、間近にヴィオーラの顔があった。
マキウスに似た端整な顔立ちに、モニカは耳まで真っ赤になりながらも、ヴィオーラにされるがままになっていたのだった。
「これで良し、と。一通り取れたと思います」
「あ、ありがとうございます。ヴィオーラ様」
「礼には及びません。可愛い義妹《いもうと》に、恥ずかしい思いはさせられませんからね」
優しく微笑むヴィオーラに、モニカの胸はバクバクと高鳴ってくる。
この、マキウスに優しくされた時と似た感覚。
でも、どちらかといえば、御國だった頃、学生時代に通っていた女子大学のカッコ良い先輩に対する感情に近かった。
社会人になって、同じ職場で働く、大人っぽくて、オシャレで、仕事も出来る先輩女性社員に抱いた感情と同じでもあった。
これは、まるでーー。
「あの……!」
モニカは胸の前で両手を握った。
息を大きく吸うと、逸る気持ちのまま、自分の気持ちを伝えたのだった。
「お姉様って、お呼びしてもいいですか?」
ヴィオーラは目を丸くした。
どこか戸惑い気味のまま、そっと頷いたのだった。
「それは構いませんが……?」
「ありがとうございます! お姉様!」
「わっ!?」
そして、モニカは目を輝かせて、頬を染めると、ヴィオーラに抱きついたのだった。
「モ、モニカさん……?」
「お姉様、カッコ良かったです!
するすると木を登って、軽やかに飛び降りて……。私には真似出来ません!」
「そこまで感激する程でしたか……?」
「はい!」
モニカは顔を上げて弾んだ声で返すと、ますますヴィオーラに抱きついた。
義姉の身体からは、以前、ヴィオーラから貰った手紙から漂っていたのと同じ、スミレの様な甘い香りがしていた。
最初こそヴィオーラは戸惑っている様だったが、やがてモニカを優しく抱き寄せると、幼子をあやす様に、軽く背中を愛撫してくれたのだった。
「……他の女性騎士に言われたことはありますが、身内に言われたのは初めてです。
それも、弟ではなく、義妹《いもうと》に」
「そうなんですか?」
「そうです。なかなか素直になれない憎たらしい弟も良いですが、やはり自分の気持ちを真っ直ぐに表現出来る可憐な義妹というのも良いものですね」
そうして、ティカから話を聞いて、心配したマキウスが様子を見に来るまで、モニカはヴィオーラに抱きついていたのだった。
マキウスに似た端整な顔立ちに、モニカは耳まで真っ赤になりながらも、ヴィオーラにされるがままになっていたのだった。
「これで良し、と。一通り取れたと思います」
「あ、ありがとうございます。ヴィオーラ様」
「礼には及びません。可愛い義妹《いもうと》に、恥ずかしい思いはさせられませんからね」
優しく微笑むヴィオーラに、モニカの胸はバクバクと高鳴ってくる。
この、マキウスに優しくされた時と似た感覚。
でも、どちらかといえば、御國だった頃、学生時代に通っていた女子大学のカッコ良い先輩に対する感情に近かった。
社会人になって、同じ職場で働く、大人っぽくて、オシャレで、仕事も出来る先輩女性社員に抱いた感情と同じでもあった。
これは、まるでーー。
「あの……!」
モニカは胸の前で両手を握った。
息を大きく吸うと、逸る気持ちのまま、自分の気持ちを伝えたのだった。
「お姉様って、お呼びしてもいいですか?」
ヴィオーラは目を丸くした。
どこか戸惑い気味のまま、そっと頷いたのだった。
「それは構いませんが……?」
「ありがとうございます! お姉様!」
「わっ!?」
そして、モニカは目を輝かせて、頬を染めると、ヴィオーラに抱きついたのだった。
「モ、モニカさん……?」
「お姉様、カッコ良かったです!
するすると木を登って、軽やかに飛び降りて……。私には真似出来ません!」
「そこまで感激する程でしたか……?」
「はい!」
モニカは顔を上げて弾んだ声で返すと、ますますヴィオーラに抱きついた。
義姉の身体からは、以前、ヴィオーラから貰った手紙から漂っていたのと同じ、スミレの様な甘い香りがしていた。
最初こそヴィオーラは戸惑っている様だったが、やがてモニカを優しく抱き寄せると、幼子をあやす様に、軽く背中を愛撫してくれたのだった。
「……他の女性騎士に言われたことはありますが、身内に言われたのは初めてです。
それも、弟ではなく、義妹《いもうと》に」
「そうなんですか?」
「そうです。なかなか素直になれない憎たらしい弟も良いですが、やはり自分の気持ちを真っ直ぐに表現出来る可憐な義妹というのも良いものですね」
そうして、ティカから話を聞いて、心配したマキウスが様子を見に来るまで、モニカはヴィオーラに抱きついていたのだった。