「マキウス様、これは……!?」
「魔法石に私の魔力を認識させていました。隊長から聞いていませんか?」
不思議そうな顔で訊ねてきたので、モニカは何度も頷いた。
すると、マキウスは「隊長……」と、深いため息をついて、立ち上がったのだった。
「モニカ、指輪を見て下さい」
「あっ! 石が光っています!」
指輪にはまった青色の石は、小さな青色の光を放っていたのだった。
「この光は、私の魔力を認識した証になります。これで、この指輪は私を持ち主と認めました」
マキウスによると、魔法石は最初に魔力を入れた者を自分の持ち主と認める。
それにより、最初に魔力を入れた者が死なない限り、持ち主以外の魔力を受け付けなくなるらしい。
指輪を持っている人は、その持ち主の代理人として、その指輪に宿っている魔力を自分の魔力の様に使えるようになる。
また、最初に魔力を入れる方法は、持ち主の体液なら何でもいいらしい。
「魔法石に宿る魔力には限りがあります。屋敷内の魔法の鍵を開閉すれば、当然、魔法石に宿る魔力は減ります」
「へぇ~。魔力は有限なんですね」
「ええ。ですから、今後も私が毎日、魔力を補充しに来ます」
「ああ! 要は充電式ってことなんですね!」
「じゅうでんしき?」
「い、いえ! なんでもないです!」
マキウスが首を傾げたので、モニカは慌てて首を振ったのだった。
「これで、魔法石に宿っている魔力は私のものになりました。屋敷内の魔法の鍵はこの魔力で、ひと通り開閉することが出来ます」
「ありがとうございます。あの、この指輪は必ず指にしなければならないものですか?」
「その必要はありませんが……。理由を聞いても?」
「ニコラが飲み込んでしまうかもしれないからです」
「どうして、ニコラが飲み込んでしまうんですか?」
怪訝な顔をして首を傾げたマキウスを見る限り、どうやら、モニカが何を言いたいのかわからないらしい。
モニカは苦笑すると、説明したのだった。
「私がニコラと遊ぶ時に指輪をつけたままだと、誤ってニコラが指輪を飲み込んでしまう可能性があります。
なので、ニコラに触れる時は指輪を外したくて」
以前、マキウスから貰った指輪もそうだが、ニコラの様な赤ちゃんや幼い子供が、両親のアクセサリーやボタンなどの小物を飲み込んでしまう誤飲は少なくない。
実際に御國だった頃、誤飲した赤ちゃんが病院に運ばれて、入院や手術をした例も少なくなかった。
どんなきっかけで、ニコラがモニカのアクセサリーやボタンなどの小物を飲み込んでしまうかわからない以上、モニカは出来るだけアクセサリー類やボタンなどの飾り付きの多い衣服は身につけないようにしていたのだった。
「では、この指輪も首から下げて、服の内側に入れますね」
モニカは首から下げて服の内側に入れていた紐を出した。
紐の先には、以前、マキウスから貰った指輪がついていた。
モニカの説明に納得がいったマキウスは、何やら考え込んでいるようだった。
「指輪ではなく、ネックレスの方がいいでしょうか。それとも、ブレスレットの方が……」
「マキウス様?」
「魔法石の形はまた別の時に考えるとしましょう。ただ、ニコラに触れない時は必ず身につけて下さい。何かあった時の為にも」
「何かあった時って……?」
「無論、そんな目には遭わせませんが、仮にモニカが誘拐されたとしても、私の魔力が注入された指輪があれば、魔力の痕跡を辿って行方を探せます」
「そうなんですね……。わかりました。普段から身に着けるようにします」
「ええ。私は違いますが、王族や一部の貴族の中には、生まれた時に体内に魔法石を埋め込まれている者もいるんです」
「ええ……。それは、痛そうですね……」
すると、マキウスは真剣な表情になると、「それで」と言ってモニカの隣に座ると話題を変えたのだった。
「魔法石に私の魔力を認識させていました。隊長から聞いていませんか?」
不思議そうな顔で訊ねてきたので、モニカは何度も頷いた。
すると、マキウスは「隊長……」と、深いため息をついて、立ち上がったのだった。
「モニカ、指輪を見て下さい」
「あっ! 石が光っています!」
指輪にはまった青色の石は、小さな青色の光を放っていたのだった。
「この光は、私の魔力を認識した証になります。これで、この指輪は私を持ち主と認めました」
マキウスによると、魔法石は最初に魔力を入れた者を自分の持ち主と認める。
それにより、最初に魔力を入れた者が死なない限り、持ち主以外の魔力を受け付けなくなるらしい。
指輪を持っている人は、その持ち主の代理人として、その指輪に宿っている魔力を自分の魔力の様に使えるようになる。
また、最初に魔力を入れる方法は、持ち主の体液なら何でもいいらしい。
「魔法石に宿る魔力には限りがあります。屋敷内の魔法の鍵を開閉すれば、当然、魔法石に宿る魔力は減ります」
「へぇ~。魔力は有限なんですね」
「ええ。ですから、今後も私が毎日、魔力を補充しに来ます」
「ああ! 要は充電式ってことなんですね!」
「じゅうでんしき?」
「い、いえ! なんでもないです!」
マキウスが首を傾げたので、モニカは慌てて首を振ったのだった。
「これで、魔法石に宿っている魔力は私のものになりました。屋敷内の魔法の鍵はこの魔力で、ひと通り開閉することが出来ます」
「ありがとうございます。あの、この指輪は必ず指にしなければならないものですか?」
「その必要はありませんが……。理由を聞いても?」
「ニコラが飲み込んでしまうかもしれないからです」
「どうして、ニコラが飲み込んでしまうんですか?」
怪訝な顔をして首を傾げたマキウスを見る限り、どうやら、モニカが何を言いたいのかわからないらしい。
モニカは苦笑すると、説明したのだった。
「私がニコラと遊ぶ時に指輪をつけたままだと、誤ってニコラが指輪を飲み込んでしまう可能性があります。
なので、ニコラに触れる時は指輪を外したくて」
以前、マキウスから貰った指輪もそうだが、ニコラの様な赤ちゃんや幼い子供が、両親のアクセサリーやボタンなどの小物を飲み込んでしまう誤飲は少なくない。
実際に御國だった頃、誤飲した赤ちゃんが病院に運ばれて、入院や手術をした例も少なくなかった。
どんなきっかけで、ニコラがモニカのアクセサリーやボタンなどの小物を飲み込んでしまうかわからない以上、モニカは出来るだけアクセサリー類やボタンなどの飾り付きの多い衣服は身につけないようにしていたのだった。
「では、この指輪も首から下げて、服の内側に入れますね」
モニカは首から下げて服の内側に入れていた紐を出した。
紐の先には、以前、マキウスから貰った指輪がついていた。
モニカの説明に納得がいったマキウスは、何やら考え込んでいるようだった。
「指輪ではなく、ネックレスの方がいいでしょうか。それとも、ブレスレットの方が……」
「マキウス様?」
「魔法石の形はまた別の時に考えるとしましょう。ただ、ニコラに触れない時は必ず身につけて下さい。何かあった時の為にも」
「何かあった時って……?」
「無論、そんな目には遭わせませんが、仮にモニカが誘拐されたとしても、私の魔力が注入された指輪があれば、魔力の痕跡を辿って行方を探せます」
「そうなんですね……。わかりました。普段から身に着けるようにします」
「ええ。私は違いますが、王族や一部の貴族の中には、生まれた時に体内に魔法石を埋め込まれている者もいるんです」
「ええ……。それは、痛そうですね……」
すると、マキウスは真剣な表情になると、「それで」と言ってモニカの隣に座ると話題を変えたのだった。