多少、バラつきはあるが、カーネ族は生まれつき魔力を持っている。
けれども、指紋と同じで、同じ血の繋がった家族でも、魔力の強さ、色、属性など、魔力の種類は少しずつ違うらしい。
鍵を始めとする一部の道具は、この魔力を認識して使用する。
魔法は魔力を糧として、振るう力である。
魔力の持ち主が思い描いた力や願いを、魔力を使って、叶えることが出来る。
例えば、「雨を降らしたい」という願いがあったとする。
それを叶えるために、自らの魔力を使って、雨を降らせたとする。
この「雨を降らせた」という行為を、魔法というらしい。
ただ、大きな願いほど、それに比例する魔力が必要になる。
国を滅ぼすことや大量殺人を行うなど、自分の魔力を超える力を振るうことや、願いを叶えることは出来ない。
また、魔力は生命力と直結している。
魔力を使い過ぎると、命を落としてしまうこともあるらしい。
「魔力を使いすぎたら死んでしまうって……。それなら、扉の鍵を開閉する度に、マキウス様たちも魔力を使っているので、いつか死んでしまうのでは……」
「あれくらいでは死にません」
モニカの言葉に、マキウスは苦笑する。
「鍵の開閉に使うのは、ほんのわずかな魔力です。しっかり身体を休めれば、回復するくらいの」
マキウスの話によると、魔力は充分な休息を取れば、回復するらしい。
その為、魔力を日常的に使う者たちーー宮廷魔法使いなどは、かなりの休息が必要だと。
「それなら良かったです……。安心しました」
胸を撫で下ろしていると、マキウスは嬉しそうに微笑んだ。
「モニカの気持ちは嬉しいですが、心配するまでもありません。
それに、私が持っている魔力は、せいぜい扉の開閉くらいのもの。
魔法を使うには、力が弱いそうです。
魔法石で魔力を補っても、火をおこすくらいの弱い魔法が使えるだけで、強い魔法は使えません」
魔力を魔法として普段から使えるようになる者は、ごく一部の魔力が強い者か、魔法が使えるように訓練をした者だけらしい。
ほとんどのカーネ族は、鍵の開閉など、道具に使用するだけで終わるらしい。
魔法石は魔力が少ない者や持たない者の魔力を補う、いわばマジックアイテムである。
魔法石が認識した者の魔力を魔法石に宿し、魔法石の持ち主の願いを叶える。
そうして、魔法石に宿った魔力が無くなったら、また魔法石が認識した者から魔力をもらう……。といったことを、魔法石の寿命がくるまで繰り返すのだった。
「ということは、マキウス様は魔法石なくしては魔法が使えないんですね……」
「そうなりますね」
「せっかく、念願の魔法が見られるかと思ったのに……」
モニカは落胆するが、「ですが」とマキウスは続けた。
「近年、魔力の強い者が増えてきています。
調べたところ、魔力が強い者の殆どはカーネ族とユマン族の間に生まれた者か、ユマン族の血を引く者が多いらしいです」
「カーネ族とユマン族の間に生まれた者って……要はカーネ族とユマン族のハーフってことですよね? どうして、カーネ族とユマン族の子供の魔力が強いんですか? だって、ユマン族は魔力を持たないのに……」
バルコニーから室内に戻ろうとするマキウスの後に続きながら、モニカは尋ねた。
マキウスはベッドに座るようにモニカを促すと、その近くに椅子を持ってきて座ったのだった。
けれども、指紋と同じで、同じ血の繋がった家族でも、魔力の強さ、色、属性など、魔力の種類は少しずつ違うらしい。
鍵を始めとする一部の道具は、この魔力を認識して使用する。
魔法は魔力を糧として、振るう力である。
魔力の持ち主が思い描いた力や願いを、魔力を使って、叶えることが出来る。
例えば、「雨を降らしたい」という願いがあったとする。
それを叶えるために、自らの魔力を使って、雨を降らせたとする。
この「雨を降らせた」という行為を、魔法というらしい。
ただ、大きな願いほど、それに比例する魔力が必要になる。
国を滅ぼすことや大量殺人を行うなど、自分の魔力を超える力を振るうことや、願いを叶えることは出来ない。
また、魔力は生命力と直結している。
魔力を使い過ぎると、命を落としてしまうこともあるらしい。
「魔力を使いすぎたら死んでしまうって……。それなら、扉の鍵を開閉する度に、マキウス様たちも魔力を使っているので、いつか死んでしまうのでは……」
「あれくらいでは死にません」
モニカの言葉に、マキウスは苦笑する。
「鍵の開閉に使うのは、ほんのわずかな魔力です。しっかり身体を休めれば、回復するくらいの」
マキウスの話によると、魔力は充分な休息を取れば、回復するらしい。
その為、魔力を日常的に使う者たちーー宮廷魔法使いなどは、かなりの休息が必要だと。
「それなら良かったです……。安心しました」
胸を撫で下ろしていると、マキウスは嬉しそうに微笑んだ。
「モニカの気持ちは嬉しいですが、心配するまでもありません。
それに、私が持っている魔力は、せいぜい扉の開閉くらいのもの。
魔法を使うには、力が弱いそうです。
魔法石で魔力を補っても、火をおこすくらいの弱い魔法が使えるだけで、強い魔法は使えません」
魔力を魔法として普段から使えるようになる者は、ごく一部の魔力が強い者か、魔法が使えるように訓練をした者だけらしい。
ほとんどのカーネ族は、鍵の開閉など、道具に使用するだけで終わるらしい。
魔法石は魔力が少ない者や持たない者の魔力を補う、いわばマジックアイテムである。
魔法石が認識した者の魔力を魔法石に宿し、魔法石の持ち主の願いを叶える。
そうして、魔法石に宿った魔力が無くなったら、また魔法石が認識した者から魔力をもらう……。といったことを、魔法石の寿命がくるまで繰り返すのだった。
「ということは、マキウス様は魔法石なくしては魔法が使えないんですね……」
「そうなりますね」
「せっかく、念願の魔法が見られるかと思ったのに……」
モニカは落胆するが、「ですが」とマキウスは続けた。
「近年、魔力の強い者が増えてきています。
調べたところ、魔力が強い者の殆どはカーネ族とユマン族の間に生まれた者か、ユマン族の血を引く者が多いらしいです」
「カーネ族とユマン族の間に生まれた者って……要はカーネ族とユマン族のハーフってことですよね? どうして、カーネ族とユマン族の子供の魔力が強いんですか? だって、ユマン族は魔力を持たないのに……」
バルコニーから室内に戻ろうとするマキウスの後に続きながら、モニカは尋ねた。
マキウスはベッドに座るようにモニカを促すと、その近くに椅子を持ってきて座ったのだった。