「わぁ、素敵ですよ! モニカ様!」
「そ、そうですか……?」
次の日、ティカに手伝ってもらいながら、外出着に着替えていた。
昨晩、マキウスから外出を提案されたが、今朝になると既に外出の用意がされていた。
どうやら、二人で話したあの後、部屋に戻ると言って別れたが、使用人に外出の用意をするよう手配してくれたらしい。
これまで着ていたシンプルなデザインの部屋着用ドレスとは違い、用意されていた外出着は、レースやフリルが使われた少しばかり豪華なドレスであった。
足首まで隠れる薄い菫色のドレスに、ヒールの低い紫色の靴。汚れも皺もない、真っ白な手袋も用意されていた。
アクセサリーとして、先日、マキウスから貰った赤色の石がついた指輪を、手袋をした手の代わりに、紐を通して首から下げたのだった。
「さあ、こちらで化粧をして、髪をまとめます」
モニカが鏡台に座ると、ティカは手早く化粧をしてくれた。
「モニカ様はまだまだお若いですから、化粧は薄くしますね」
「若いって、ティカさんだって若いですよね?」
「いえ。私はこう見えても、二十四歳と旦那様と同い年です。旦那様と一歳違いのモニカ様より歳上ですよ」
「へ、へぇ~。そうだったんですね」
苦笑しながら、モニカは思う。
(ティカさんとマキウス様は二十四歳で、私は二十三歳だったんだ……)
御國は二十六歳だったから、モニカだけではなくマキウスも歳下になるらしい。
生年月日は知っていても、年齢までは数えていなかった。
モニカは始めて自分の年齢と、マキウスたちの年齢を知ったのだった。
化粧が終わり、輝くような金髪を櫛で梳かされていると、「失礼します」と言って、ペルラが入って来たのだった。
「モニカ様、ティカ。旦那様の用意が出来ました。部屋に入れても良いですか?」
「そうですね……。どうですか、ティカさん?」
「もう少し待って下さい! 今、モニカ様の髪をまとめますので」
ティカは返事をすると、手早くモニカの金髪を頭の後ろで一つにまとめてくれたのだった。
「いいですよ。用意が出来ました!」
ティカは用意が完了すると、壁際に控えたのだった。
「それでは、旦那様をお連れします」
ペルラが部屋を出てすぐ、アマンテに預けたニコラの嬉しそうな声が聞こえてきた。
その声は、だんだんと部屋に近いてきたのだった。
「旦那様、そろそろニコラ様をこちらに……」
「アマンテ、私もニコラをあやすのが上手くなってきましたよね?」
ペルラが開け放した扉から入ってきたのは、ニコラを抱いて、いつになく上機嫌なマキウスだった。
(い、いつになく、ものすごく、いい笑顔……)
滅多に見られない上機嫌なマキウスの姿に、モニカが呆気にとられていると、その後ろからは、アマンテが慌てたように入ってきたのだった。
「そ、そうですか……?」
次の日、ティカに手伝ってもらいながら、外出着に着替えていた。
昨晩、マキウスから外出を提案されたが、今朝になると既に外出の用意がされていた。
どうやら、二人で話したあの後、部屋に戻ると言って別れたが、使用人に外出の用意をするよう手配してくれたらしい。
これまで着ていたシンプルなデザインの部屋着用ドレスとは違い、用意されていた外出着は、レースやフリルが使われた少しばかり豪華なドレスであった。
足首まで隠れる薄い菫色のドレスに、ヒールの低い紫色の靴。汚れも皺もない、真っ白な手袋も用意されていた。
アクセサリーとして、先日、マキウスから貰った赤色の石がついた指輪を、手袋をした手の代わりに、紐を通して首から下げたのだった。
「さあ、こちらで化粧をして、髪をまとめます」
モニカが鏡台に座ると、ティカは手早く化粧をしてくれた。
「モニカ様はまだまだお若いですから、化粧は薄くしますね」
「若いって、ティカさんだって若いですよね?」
「いえ。私はこう見えても、二十四歳と旦那様と同い年です。旦那様と一歳違いのモニカ様より歳上ですよ」
「へ、へぇ~。そうだったんですね」
苦笑しながら、モニカは思う。
(ティカさんとマキウス様は二十四歳で、私は二十三歳だったんだ……)
御國は二十六歳だったから、モニカだけではなくマキウスも歳下になるらしい。
生年月日は知っていても、年齢までは数えていなかった。
モニカは始めて自分の年齢と、マキウスたちの年齢を知ったのだった。
化粧が終わり、輝くような金髪を櫛で梳かされていると、「失礼します」と言って、ペルラが入って来たのだった。
「モニカ様、ティカ。旦那様の用意が出来ました。部屋に入れても良いですか?」
「そうですね……。どうですか、ティカさん?」
「もう少し待って下さい! 今、モニカ様の髪をまとめますので」
ティカは返事をすると、手早くモニカの金髪を頭の後ろで一つにまとめてくれたのだった。
「いいですよ。用意が出来ました!」
ティカは用意が完了すると、壁際に控えたのだった。
「それでは、旦那様をお連れします」
ペルラが部屋を出てすぐ、アマンテに預けたニコラの嬉しそうな声が聞こえてきた。
その声は、だんだんと部屋に近いてきたのだった。
「旦那様、そろそろニコラ様をこちらに……」
「アマンテ、私もニコラをあやすのが上手くなってきましたよね?」
ペルラが開け放した扉から入ってきたのは、ニコラを抱いて、いつになく上機嫌なマキウスだった。
(い、いつになく、ものすごく、いい笑顔……)
滅多に見られない上機嫌なマキウスの姿に、モニカが呆気にとられていると、その後ろからは、アマンテが慌てたように入ってきたのだった。