マキウスによると、かつては国の治安を守る騎士団と、国を運営する役人は別々の組織だった。
それが何百年か前に、当時の一部の役人たちが大きな不正を行ってからは、騎士団が国の運営も管理するようになったらしい。
「特に、貴女と私は国同士の政略結婚の一環として、結婚することになります。
騎士団も私達の動向に注目しています」
「えっ! そうだったんですか? まあ、それなら、これまでの「モニカ」とマキウス様の関係も分からなくもないですが……」
「モニカ」とマキウスが不仲だった理由。
それは望まぬ相手ーーマキウスとの政略結婚にあったのだろうか。
マキウスは顔を顰めたのだった。
「まあ……これまでの『モニカ』との関係は、政略結婚が原因と言えるかもしれません。
他にも、私の身分が関係しているのかもしれませんが」
「マキウス様のご身分ですか?」
「ええ。我がハージェント家は男爵位を賜っています。それでも、貴族の中では最下位に位置していますが」
「貴族だったんですか!?」
項垂れたマキウスに対して、モニカは興奮した。
元の世界でも、昔はモニカがーー御國が住んでいた日本にも、貴族や身分が存在していたという話は、学校の歴史の授業で聞いたことがあった。
今でも、一部の国には貴族制度や身分社会が残っているという話も。
けれども、モニカにとっては、どこか遠い話で、現実味を感じられなかったのだった。
「身分が低いので、モニカにもこれから苦労をかけることが多々あるかと思いますが……」
「でも、貴族なんて凄いです! だから、マキウス様は、そんなに素敵で、カッコいいんですね!」
マキウスの言葉を遮るように、モニカは頬を紅潮させて話した。
すると、マキウスはハッとしてモニカの顔を見つめると、みるみるうちに頬が赤くなっていったのだった。
「モ、モニカ、何を言って……!
いえ、もしそうだとしたら、それはペルラたちのおかげですね。
特に乳母のペルラには、厳しく育てられました」
赤くなった顔を見られたくないのか、マキウスは顔を逸らしたのだった。
「それだけでもないような……。
そうだ! せっかくなので、その政略結婚や私たちの出会いについて教えて下さい!」
モニカは確かに「モニカ」としての記憶を持っているが、何故かマキウスや結婚に至るまでの記憶が曖昧になっていた。
「モニカ」にとっては、あまり印象的な思い出ではなかったのかもしれない。
「勿論です。ただ、私はあまり『モニカ』自身について詳しくありません。
結局、私たちはほとんどお互いを知る機会の無いまま、今に至っているので……」
そうして、マキウスは悲しげに微笑むと、教えてくれたのだった。
それが何百年か前に、当時の一部の役人たちが大きな不正を行ってからは、騎士団が国の運営も管理するようになったらしい。
「特に、貴女と私は国同士の政略結婚の一環として、結婚することになります。
騎士団も私達の動向に注目しています」
「えっ! そうだったんですか? まあ、それなら、これまでの「モニカ」とマキウス様の関係も分からなくもないですが……」
「モニカ」とマキウスが不仲だった理由。
それは望まぬ相手ーーマキウスとの政略結婚にあったのだろうか。
マキウスは顔を顰めたのだった。
「まあ……これまでの『モニカ』との関係は、政略結婚が原因と言えるかもしれません。
他にも、私の身分が関係しているのかもしれませんが」
「マキウス様のご身分ですか?」
「ええ。我がハージェント家は男爵位を賜っています。それでも、貴族の中では最下位に位置していますが」
「貴族だったんですか!?」
項垂れたマキウスに対して、モニカは興奮した。
元の世界でも、昔はモニカがーー御國が住んでいた日本にも、貴族や身分が存在していたという話は、学校の歴史の授業で聞いたことがあった。
今でも、一部の国には貴族制度や身分社会が残っているという話も。
けれども、モニカにとっては、どこか遠い話で、現実味を感じられなかったのだった。
「身分が低いので、モニカにもこれから苦労をかけることが多々あるかと思いますが……」
「でも、貴族なんて凄いです! だから、マキウス様は、そんなに素敵で、カッコいいんですね!」
マキウスの言葉を遮るように、モニカは頬を紅潮させて話した。
すると、マキウスはハッとしてモニカの顔を見つめると、みるみるうちに頬が赤くなっていったのだった。
「モ、モニカ、何を言って……!
いえ、もしそうだとしたら、それはペルラたちのおかげですね。
特に乳母のペルラには、厳しく育てられました」
赤くなった顔を見られたくないのか、マキウスは顔を逸らしたのだった。
「それだけでもないような……。
そうだ! せっかくなので、その政略結婚や私たちの出会いについて教えて下さい!」
モニカは確かに「モニカ」としての記憶を持っているが、何故かマキウスや結婚に至るまでの記憶が曖昧になっていた。
「モニカ」にとっては、あまり印象的な思い出ではなかったのかもしれない。
「勿論です。ただ、私はあまり『モニカ』自身について詳しくありません。
結局、私たちはほとんどお互いを知る機会の無いまま、今に至っているので……」
そうして、マキウスは悲しげに微笑むと、教えてくれたのだった。