「これは、一体……?」
「私からも、マキウス様に贈れる物は二つだけです。すぐに思いつくものは、ですが……」
御國は苦笑すると、マキウスが立てた指先に、自分が立てた二本の指先をそっとくっつけた。
目を見開くマキウスに、御國はすうっと息を吸うと口を開いたのだった、
「一つ目。ニコラにとってより良い母親になることを。
ニコラが幸せになれて、健やかに成長出来るように、私が元の世界で得た知識を、ニコラとマキウス様に提供します」
「そうして」と御國は唇を噛んだ。
これを言ってしまったら、後戻りが出来ないような気がした。
けれども、今これを言わなかったら、きっと後悔すると御國は思ったのだった。
また、頭が痛み出した。
今度はじわじわと、これまでよりも激しい痛みだった。
早く言わなければ、と御國は内心で焦った。
痛みが頂点に達してしまったら、言えなくなってしまいそうだった。
御國はマキウスに悟られないように痛みを我慢すると、微笑んだのだった。
「二つ目。私がマキウス様を幸せにすることを。
マキウス様に与えられてばかりでは、なんだか悔しいですし、心苦しいです。
マキウス様が私とニコラを幸せにしてくれるように、私がマキウス様を幸せにします。
一人の女性として……貴方の妻として」
「それは……」
痛みが限界に達しそうだった。
目を大きく見開くマキウスに、御國は目尻に涙を溜めながら微笑み続けた。
「私は貴方の傍に居たい。その為に、私はモニカになります。モニカとして、この世界で生きていきます!」
頭が焼き切れるような強烈な痛みを感じた。
「だ、だ……から、わ、私を、傍に、い、いさせて、ください……」
「モニカ!」
御國は頭を抱えてベッドに倒れ込んだ。
全身から汗がビッショリと出てきた。
マキウスが何かを叫んでいるが、御國の頭の中には入ってこなかった。
御國はそこで意識を失ったのだった。
「私からも、マキウス様に贈れる物は二つだけです。すぐに思いつくものは、ですが……」
御國は苦笑すると、マキウスが立てた指先に、自分が立てた二本の指先をそっとくっつけた。
目を見開くマキウスに、御國はすうっと息を吸うと口を開いたのだった、
「一つ目。ニコラにとってより良い母親になることを。
ニコラが幸せになれて、健やかに成長出来るように、私が元の世界で得た知識を、ニコラとマキウス様に提供します」
「そうして」と御國は唇を噛んだ。
これを言ってしまったら、後戻りが出来ないような気がした。
けれども、今これを言わなかったら、きっと後悔すると御國は思ったのだった。
また、頭が痛み出した。
今度はじわじわと、これまでよりも激しい痛みだった。
早く言わなければ、と御國は内心で焦った。
痛みが頂点に達してしまったら、言えなくなってしまいそうだった。
御國はマキウスに悟られないように痛みを我慢すると、微笑んだのだった。
「二つ目。私がマキウス様を幸せにすることを。
マキウス様に与えられてばかりでは、なんだか悔しいですし、心苦しいです。
マキウス様が私とニコラを幸せにしてくれるように、私がマキウス様を幸せにします。
一人の女性として……貴方の妻として」
「それは……」
痛みが限界に達しそうだった。
目を大きく見開くマキウスに、御國は目尻に涙を溜めながら微笑み続けた。
「私は貴方の傍に居たい。その為に、私はモニカになります。モニカとして、この世界で生きていきます!」
頭が焼き切れるような強烈な痛みを感じた。
「だ、だ……から、わ、私を、傍に、い、いさせて、ください……」
「モニカ!」
御國は頭を抱えてベッドに倒れ込んだ。
全身から汗がビッショリと出てきた。
マキウスが何かを叫んでいるが、御國の頭の中には入ってこなかった。
御國はそこで意識を失ったのだった。