マキウスに連れられてやって来た丘の上は、草花が生えているだけの見晴らしの良い場所だった。
空を見上げると、幾千もの星々が輝く星空が、視界一杯に広がっていた。
周囲に明かりがないので、これなら糠星まで見えそうだった。
「綺麗ですね。星空もよく見えます」
元の世界でもなかなか見られなかった壮麗な夜空に弾んだ声を上げると、モニカは無意識の内に歩き出そうとしていた。
そんなモニカの腕を、マキウスは掴んだのだった。
「そうやって、上を見上げたまま歩いたら危険です。万が一、石に躓いて、転んで怪我でもしたらどうするんですか?」
「そうですよね……。すみません」
肩を落としたモニカに、マキウスは「いえ」と首を振ったのだった。
「怒っている訳では無いんです。ただ、頭上で輝く星々にも負けない美しさを持つ、可憐な金の花に怪我でも負わせてしまったらと思うと、私がどうにかなってしまいそうだったので」
「えっと……。頭上の星々に負けない美しさ? 可憐な金の花?」
立て板に水の様に、淀みなくスラスラと話したマキウスについていけず、反芻することしか出来なかったモニカだったが、そんなモニカを気にする様子もなく、マキウスは一点を示した。
「あの辺りに座りましょう」
モニカはマキウスに腕を引かれると、丘の一角に連れて行かれた。
そうしてマキウスは懐からハンカチを取り出すと、草の上に敷いてくれたのだった。
「ここに座って下さい」
「でも、マキウス様はどうするんですか?」
「私は直接地面に座るので、気にしないで下さい。昔と違って、今は虫は平気ですので」
「そ、そうですか……」
そうは言いつつも、魔力の明かりに照らされたマキウスの顔が、いつもよりやや青く見えたのは気のせいだろうか。
(本当に平気なのかな……?)
モニカは苦笑しつつも、マキウスの言葉に甘えて、そっとハンカチの上に座ったのだった。
「寒くはありませんか?」
「大丈夫です。マキウス様は?」
「私も大丈夫です」
モニカの隣に座ったマキウスが、気遣う様に声を掛けてくれる。
そんな気遣いに胸が温かくなっていると、マキウスは持っていた魔力の明かりをそっと消した。
周囲が暗くなると、二人を包む光は、天上で輝く幾千幾万もの星々だけとなったのだった。
二人はしばらく無言で夜空を流れて行く星々を眺めていたが、やがて「やっぱり……」とモニカは口を開いた。
「寒くなってきたので、近くに行ってもいいですか?」
おずおずと声を掛けると、マキウスはすぐに頷いてくれる。
「勿論です。それなら、私が近くに行ってもいいですか?」
「はい!」
モニカが頷くと、マキウスはそっと近づいてきた。
肩がぴったりとくっつくところまで、マキウスは近づいてくると、二人はまた空を眺めたのだった。
「綺麗ですね」
「そうですね」
流星群はピークに達してきたようで、一つ、また一つと、方角に関係なく、空には幾千の星々が流れていったのだった。
空を見上げると、幾千もの星々が輝く星空が、視界一杯に広がっていた。
周囲に明かりがないので、これなら糠星まで見えそうだった。
「綺麗ですね。星空もよく見えます」
元の世界でもなかなか見られなかった壮麗な夜空に弾んだ声を上げると、モニカは無意識の内に歩き出そうとしていた。
そんなモニカの腕を、マキウスは掴んだのだった。
「そうやって、上を見上げたまま歩いたら危険です。万が一、石に躓いて、転んで怪我でもしたらどうするんですか?」
「そうですよね……。すみません」
肩を落としたモニカに、マキウスは「いえ」と首を振ったのだった。
「怒っている訳では無いんです。ただ、頭上で輝く星々にも負けない美しさを持つ、可憐な金の花に怪我でも負わせてしまったらと思うと、私がどうにかなってしまいそうだったので」
「えっと……。頭上の星々に負けない美しさ? 可憐な金の花?」
立て板に水の様に、淀みなくスラスラと話したマキウスについていけず、反芻することしか出来なかったモニカだったが、そんなモニカを気にする様子もなく、マキウスは一点を示した。
「あの辺りに座りましょう」
モニカはマキウスに腕を引かれると、丘の一角に連れて行かれた。
そうしてマキウスは懐からハンカチを取り出すと、草の上に敷いてくれたのだった。
「ここに座って下さい」
「でも、マキウス様はどうするんですか?」
「私は直接地面に座るので、気にしないで下さい。昔と違って、今は虫は平気ですので」
「そ、そうですか……」
そうは言いつつも、魔力の明かりに照らされたマキウスの顔が、いつもよりやや青く見えたのは気のせいだろうか。
(本当に平気なのかな……?)
モニカは苦笑しつつも、マキウスの言葉に甘えて、そっとハンカチの上に座ったのだった。
「寒くはありませんか?」
「大丈夫です。マキウス様は?」
「私も大丈夫です」
モニカの隣に座ったマキウスが、気遣う様に声を掛けてくれる。
そんな気遣いに胸が温かくなっていると、マキウスは持っていた魔力の明かりをそっと消した。
周囲が暗くなると、二人を包む光は、天上で輝く幾千幾万もの星々だけとなったのだった。
二人はしばらく無言で夜空を流れて行く星々を眺めていたが、やがて「やっぱり……」とモニカは口を開いた。
「寒くなってきたので、近くに行ってもいいですか?」
おずおずと声を掛けると、マキウスはすぐに頷いてくれる。
「勿論です。それなら、私が近くに行ってもいいですか?」
「はい!」
モニカが頷くと、マキウスはそっと近づいてきた。
肩がぴったりとくっつくところまで、マキウスは近づいてくると、二人はまた空を眺めたのだった。
「綺麗ですね」
「そうですね」
流星群はピークに達してきたようで、一つ、また一つと、方角に関係なく、空には幾千の星々が流れていったのだった。