「私もマキウス様のことが好きです……! マキウス様のことが好きなのに、他の人を好きになりません」
出会った頃から、マキウスは優しくしてくれた。
モニカが目覚めた時も、ティカからモニカがマキウスを気にしていたという話を聞いた時も、マキウスはそれを無視することが出来た。
それなのに、マキウスはモニカの元に来てくれた。
使用人の誰もがモニカを恐れている中、マキウスだけは普通に接してくれた。
モニカが夢に悩んでいる時も、この世界やニコラの育児について知りたいと学んでいる時も、マキウスは気遣ってくれた。
マキウスの知っている「モニカ」ではなく、マキウスと結婚した「モニカ」ではないのに、マキウスはモニカを慕ってくれる。
こんなモニカをマキウスは愛してくれる。
何もない、モニカをーー。
「マキウス様にも幸せになって欲しいんです! マキウス様の幸せの為なら、私も何だって出来ますし、何にでもなれます! 私も貴方を守って、貴方の力になりたいんです!」
「モニカ……」
「約束したじゃないですか! 私もマキウス様を幸せにすると……! 私が『モニカ』になった日に」
初めて触れた指の温かさを、今でも覚えている。
御國の頃を合わせても、これまで、誰かを好きになったことは無かった。
だからこそ、この感情が「愛」なのか、モニカにはわからない。
けれども、マキウスを想う度に、いつも胸の中が温かくなっていった。
目覚めたばかりの頃、マキウスが部屋に訪れるのを待っていたあの頃からーー。
「私も、早く貴方に相応しい妻になりたい……! 早く夫婦になりたいです……!」
モニカの目尻から涙が溢れた。
涙は止まることなく、バルコニーの床へと吸い込まれていき、やがて嗚咽も溢れたのだった。
「ご、ごめんなさい……。上手く、言葉にならなくて……」
すると、マキウスは「わかっています」と、モニカを抱きしめたのだった。
「貴女の気持ちはわかっています。これ以上は何も言わなくて大丈夫です。女性に全てを言わせてしまうなど、男として格好がつきません」
「そんな、こと、ない……」
「そんなことあります。せめて、私に男としての見栄を張らせて下さい」
「マキウス様……」
「ありがとうございます。モニカ……。ありがとうございます……」
モニカの心臓が激しく高鳴っていた。
けれども、それはマキウスも同じようだった。
モニカの心臓に合わせるように、マキウスの心臓も高鳴っていた。
その音を心地良いと思いながら。
モニカはマキウスの胸の中で泣き続けたのだった。
出会った頃から、マキウスは優しくしてくれた。
モニカが目覚めた時も、ティカからモニカがマキウスを気にしていたという話を聞いた時も、マキウスはそれを無視することが出来た。
それなのに、マキウスはモニカの元に来てくれた。
使用人の誰もがモニカを恐れている中、マキウスだけは普通に接してくれた。
モニカが夢に悩んでいる時も、この世界やニコラの育児について知りたいと学んでいる時も、マキウスは気遣ってくれた。
マキウスの知っている「モニカ」ではなく、マキウスと結婚した「モニカ」ではないのに、マキウスはモニカを慕ってくれる。
こんなモニカをマキウスは愛してくれる。
何もない、モニカをーー。
「マキウス様にも幸せになって欲しいんです! マキウス様の幸せの為なら、私も何だって出来ますし、何にでもなれます! 私も貴方を守って、貴方の力になりたいんです!」
「モニカ……」
「約束したじゃないですか! 私もマキウス様を幸せにすると……! 私が『モニカ』になった日に」
初めて触れた指の温かさを、今でも覚えている。
御國の頃を合わせても、これまで、誰かを好きになったことは無かった。
だからこそ、この感情が「愛」なのか、モニカにはわからない。
けれども、マキウスを想う度に、いつも胸の中が温かくなっていった。
目覚めたばかりの頃、マキウスが部屋に訪れるのを待っていたあの頃からーー。
「私も、早く貴方に相応しい妻になりたい……! 早く夫婦になりたいです……!」
モニカの目尻から涙が溢れた。
涙は止まることなく、バルコニーの床へと吸い込まれていき、やがて嗚咽も溢れたのだった。
「ご、ごめんなさい……。上手く、言葉にならなくて……」
すると、マキウスは「わかっています」と、モニカを抱きしめたのだった。
「貴女の気持ちはわかっています。これ以上は何も言わなくて大丈夫です。女性に全てを言わせてしまうなど、男として格好がつきません」
「そんな、こと、ない……」
「そんなことあります。せめて、私に男としての見栄を張らせて下さい」
「マキウス様……」
「ありがとうございます。モニカ……。ありがとうございます……」
モニカの心臓が激しく高鳴っていた。
けれども、それはマキウスも同じようだった。
モニカの心臓に合わせるように、マキウスの心臓も高鳴っていた。
その音を心地良いと思いながら。
モニカはマキウスの胸の中で泣き続けたのだった。