「ごめんね、姐さん。厄介事に巻き込んじまって。おっかさん、たぶんすぐこの店に来ちゃう。昼間、姐さんにも怖い思いさせちゃったのに、また……。本当にごめんなさい!」
そう言って、明日香が涙をこぼしながら肩を震わせる。
志希は――そんな明日香のことを優しく、けれどしっかり抱きしめた。
「――っ! 姐さん?」
「心配してくれて、ありがとうございます。すごくうれしいです。――でも、さっきも言った通り、私は大丈夫ですよ。むしろ、明日香ちゃんがあのまま店に来なくなっちゃう方が悲しかったくらいですから。お母さんの方は、荒熊さんがきちんと応対してくれますから、安心してください」
志希が抱きしめたまま頭を撫でると、明日香も落ち着いてきたらしい。
泣き止んだ明日香を離し、志希はにっこりと笑う。
「それじゃあ、ごはんにしましょう。お腹がいっぱいになれば、きっともっと元気が出ますよ」
「うん!」
最初は志希ひとりで準備するつもりだったが、明日香も手伝うと言うのでふたりで台所へ向かう。
ふたりで夕食の準備をしていると、本当に妹ができたみたいだ。志希は、隣でカレーをよそっている明日香を見て、何だかうれしくなった。
料理を運んで「いただきます」と言って食べ始めると、すぐに明日香が「おいしい!」と目を輝かせた。
「いや~、志希の姐さんは本当に料理上手だね。前に食べさせてもらったオムライスもおいしかったし、やっぱり姐さんは、いいお嫁さんになるね」
カレーライスをどんどん口に運びながら、明日香は志希のことを褒め称える。
志希も「ありがとうございます」と、明日香に喜んでもらえたことをうれしく思いながらカレーライスを食べる。
ただ、勢いよく動いていた明日香の手が、不意に止まった。
そう言って、明日香が涙をこぼしながら肩を震わせる。
志希は――そんな明日香のことを優しく、けれどしっかり抱きしめた。
「――っ! 姐さん?」
「心配してくれて、ありがとうございます。すごくうれしいです。――でも、さっきも言った通り、私は大丈夫ですよ。むしろ、明日香ちゃんがあのまま店に来なくなっちゃう方が悲しかったくらいですから。お母さんの方は、荒熊さんがきちんと応対してくれますから、安心してください」
志希が抱きしめたまま頭を撫でると、明日香も落ち着いてきたらしい。
泣き止んだ明日香を離し、志希はにっこりと笑う。
「それじゃあ、ごはんにしましょう。お腹がいっぱいになれば、きっともっと元気が出ますよ」
「うん!」
最初は志希ひとりで準備するつもりだったが、明日香も手伝うと言うのでふたりで台所へ向かう。
ふたりで夕食の準備をしていると、本当に妹ができたみたいだ。志希は、隣でカレーをよそっている明日香を見て、何だかうれしくなった。
料理を運んで「いただきます」と言って食べ始めると、すぐに明日香が「おいしい!」と目を輝かせた。
「いや~、志希の姐さんは本当に料理上手だね。前に食べさせてもらったオムライスもおいしかったし、やっぱり姐さんは、いいお嫁さんになるね」
カレーライスをどんどん口に運びながら、明日香は志希のことを褒め称える。
志希も「ありがとうございます」と、明日香に喜んでもらえたことをうれしく思いながらカレーライスを食べる。
ただ、勢いよく動いていた明日香の手が、不意に止まった。