* * *
今日は平日ということもあって、お客さんの入りは比較的緩やかなものだった。
お昼時は荒熊さんのサンドイッチメニューを求めてお客さんが入ったが、それを過ぎると店にいるお客さんはほとんど常連さんだけになった。
「ごちそうさま! 旦那、新作のキウイジャム、甘酸っぱくてメッチャうまかったよ!」
「ありがとう。挑戦してみて良かったよ」
手伝いを終えた明日香と荒熊さんが楽しげに会話するのを、志希は横で洗い物をしながら聞いていた。
荒熊さんの新作ジャムは、どうやら当たりだったらしい。カフェが閉店したら、味見させてもらおうと心に決める。
志希がそんなことを考えていると、不意に荒熊さんがカウンターの下から座布団を取り出して、明日香にニヤリと笑い掛けた。
「それはそうと、今日もやってくかい?」
「いいの!? やるやる!」
荒熊さんから座布団を受け取り、明日香がうれしそうにコクコク頷く。
明日香が椅子の上に座布団を敷いて正座すると、荒熊さんは店中に聞こえるようにアナウンスを始めた。
「えー、みなさん! お立合い~、お立合い~。ブックカフェあらいぐま、本日もイベントの時間がやって参りました。うちの看板娘その一、明日香ちゃんの落語会、間もなく開演で~す!」
今日は平日ということもあって、お客さんの入りは比較的緩やかなものだった。
お昼時は荒熊さんのサンドイッチメニューを求めてお客さんが入ったが、それを過ぎると店にいるお客さんはほとんど常連さんだけになった。
「ごちそうさま! 旦那、新作のキウイジャム、甘酸っぱくてメッチャうまかったよ!」
「ありがとう。挑戦してみて良かったよ」
手伝いを終えた明日香と荒熊さんが楽しげに会話するのを、志希は横で洗い物をしながら聞いていた。
荒熊さんの新作ジャムは、どうやら当たりだったらしい。カフェが閉店したら、味見させてもらおうと心に決める。
志希がそんなことを考えていると、不意に荒熊さんがカウンターの下から座布団を取り出して、明日香にニヤリと笑い掛けた。
「それはそうと、今日もやってくかい?」
「いいの!? やるやる!」
荒熊さんから座布団を受け取り、明日香がうれしそうにコクコク頷く。
明日香が椅子の上に座布団を敷いて正座すると、荒熊さんは店中に聞こえるようにアナウンスを始めた。
「えー、みなさん! お立合い~、お立合い~。ブックカフェあらいぐま、本日もイベントの時間がやって参りました。うちの看板娘その一、明日香ちゃんの落語会、間もなく開演で~す!」