割とあっさり愚痴モードから戻ってきた荒熊さんが、得意げに胸を張る。
その言葉から、荒熊さんと前の土地神様って似た者同士なのでは、と思った志希だったが……あえて口には出さなかった。
「それにね、自分で言うのもなんだけど、アライグマって縁結びの神様に向いていると思うんだよね」
「そうなのですか? でも、どうして?」
理由がわからず、志希が不思議増に首を傾げる。
すると荒熊さんは、今度は腰に手を当ててふんぞり返り、こう答えた。
「だって、アライグマは一夫多妻制だもん! しかも、毎年パートナーが変わる! つまりアライグマのオスは、縁を結ぶのがとても得意なのです!」
「ああ、なるほど。そう言われると、確かに頼もしい気が……」
自信満々な荒熊さんに若干気圧されつつ、感心した様子で拍手をする志希。ただ、すぐに何か思い至った様子で、志希は「あれ?」と首を傾げた。
「でも、毎年パートナーが変わってしまうのだと、結んだ傍から縁が切れていくってことなのでは……?」
「……………………。さて、無駄話はここまでにしようか。仕事しなくちゃ」
志希の問い掛けに長い無言の間で答えた荒熊さんは、さっさと開店準備に戻っていった。
志希もツッコんではいけない気がして、それ以上は何も言わなかった。
と、その時だ。開店前の店の入り口が開かれた。
その言葉から、荒熊さんと前の土地神様って似た者同士なのでは、と思った志希だったが……あえて口には出さなかった。
「それにね、自分で言うのもなんだけど、アライグマって縁結びの神様に向いていると思うんだよね」
「そうなのですか? でも、どうして?」
理由がわからず、志希が不思議増に首を傾げる。
すると荒熊さんは、今度は腰に手を当ててふんぞり返り、こう答えた。
「だって、アライグマは一夫多妻制だもん! しかも、毎年パートナーが変わる! つまりアライグマのオスは、縁を結ぶのがとても得意なのです!」
「ああ、なるほど。そう言われると、確かに頼もしい気が……」
自信満々な荒熊さんに若干気圧されつつ、感心した様子で拍手をする志希。ただ、すぐに何か思い至った様子で、志希は「あれ?」と首を傾げた。
「でも、毎年パートナーが変わってしまうのだと、結んだ傍から縁が切れていくってことなのでは……?」
「……………………。さて、無駄話はここまでにしようか。仕事しなくちゃ」
志希の問い掛けに長い無言の間で答えた荒熊さんは、さっさと開店準備に戻っていった。
志希もツッコんではいけない気がして、それ以上は何も言わなかった。
と、その時だ。開店前の店の入り口が開かれた。