今までカウンターの中で並んでいたり、昨晩のようにカウンター越しに向かい合っていたりしたことはあるけれど、カウンター席に並んで座るのは初めてだ。

「それじゃあ、いただきます」

「いただきます」

 荒熊さんの隣で、志希はしっかりと手を合わせる。

 BLTサンドを頬張ると、ベーコンの塩気と肉汁がシャキッとしたレタスや甘酸っぱいトマトと絡み合って、口の中が途端に幸せになる。味も噛んだ触感も楽しいサンドイッチだ。
 BLTサンドを楽しんだ後にヨーグルトを口に含むと、さっぱりとした酸味とバナナのふんわりとした甘さが、口の中をスッキリさせてくれる。

 最後はコーヒーで一服して、志希はホッと一息ついた。

「ごちそうさまです。荒熊さん、とってもおいしかったです」

「それはどうもありがとう」

 小さな体で志希と同じだけの量の食事をぺろりと平らげた荒熊さんが、満足げにお腹をポンポン叩く。タプタプ柔らかそうで、枕にしたらとても安眠できそうなお腹だ。

「さて、お腹もいっぱいになったことだし……そろそろ昨日の続きといこうか」

「……はい」

 姿勢を正した荒熊さんへ、志希はゆっくりと頷く。