とりあえずそのときは思いつくままに四苦八苦しながらまとめ、5月下旬くらいに編集者さんへ最初の企画書(人物設定、舞台、大きなあらすじ、プロット)を提出しました。

幸いにもキャラクターや映画館という設定、そしてミステリ要素についてはすんなりとOKをいただきました。

が、、、連作短編として作ったプロットについては、謎の弱さ、過激すぎる展開(わたしの悪い癖で、『太陽と月の図書室』のときも度を越したシリアス展開でダメ出しされています)などをご指摘いただき、4話書いたうち3話は差戻しとなりました。

たしかに、いま振り返ってみると、よくもあれをだしてしまったなと自分でも思うほど謎解きらしい謎になっておらず、作品の方向性も迷走していました。(さすがにあれは、今後も公開することはありません)

そして、差し戻されたプロットを眺めて、この先どうしたものか、と途方に暮れていたとき、編集者さんからは、さらなる難題オーダーをいただいたのでした。

編集者さんからの難題オーダー、それは。。。

ビブリア古書堂のような作品を書きたいのであれば、映画館を舞台にする以上、実在の映画を絡めた謎解きにしましょう。全5話で行きますので、そのようなお話を5本考えてください。

というものでした。
もともと提出していた最初のプロットは、映画館のなかで起こる事件を題材にしていたものの、実作品は登場させていません。

ビブリア古書堂は、古書について、古書売買についての深く膨大な知識の上に成り立った物語です。映画館をテーマにそれをするならば、映写機やフィルムについての知識を絡めるべきなのだろうか。それともDVDなどの流通を取り上げるか、上映までの苦労話を書くか、、、いや、でもそれでは実在の映画を絡めた話にはなりにくい。。。

①ある映画にスポットをあてた謎解きがあり、
②本編のストーリーが1本の短編として完成しており、
③しかもスポットをあてた映画作品と有機的に絡んだストーリーになっていること。

まとめればそういうことなんだろうな、、、と、頭ではわかったものの、じゃあ、実際にどんな謎を、どんな映画に絡めて、どんな物語にしよう。やはり壁は高く、このさきどうなってしまうかと、頭を抱えました。

でもまあ、とりあえず。
思い立って、あることを始めました。