児童養護施設で育った主人公は、中学卒業と同時に『施設を出る』と決めていた。だが、施設長から以下の条件付きで、「養女にならない?」と打診され、それを呑む。

 一つ、高校、及び、調理師専門学校を卒業すること
 二つ、卒業後は施設で働くこと
 三つ、理事の一人である、とある方に毎日手紙を書くこと

 現在、約束どおり調理師となった主人公は、毎日、子供たちに舐められながらも仕事に精を出していた。
 そんなある日、新規に入所してきた子が、入所初日に食事のトレーを落とし、その後、全く食べなくなってしまった。
 何とかして食べさせようとするが、なかなか上手くいかない。ところが、施設の行事である芋掘りに誘うと、母親に贈れるのなら「参加する」と言って食べ始めた。
 事態は良くなったかに思われたが、突然、同室の子と喧嘩を始め、怪我をする。
 だが、喧嘩には両者共に言い分が有り、両者共に過去が関係していた。