パーキングからぼんやり見ていると、私たちがいつも座っていた屋根付きのベンチに男女2人が座った。学生なのだろう。恋人同士って雰囲気でもないから友達かな?

 入って自販機に飲み物を買いに行った男の子は全力疾走だったのか、腕で汗を拭っている。それを見ているだろう女の子が笑いながらタオルハンカチを渡している。男の子は微笑んだから「ありがとう」とでも言ったのだろうか?借りたタオルハンカチで汗を拭きながら隣に座った。

 その様子を途中まで黙って微笑ましく見ていたけれど、ふと浮かんで、手帳の裏に構図を走り書きする。

 「これは……」とブツブツ言いながら雑な絵コンテを書き殴る。

 もし、私が応募するのであれば絶対使いたいキャッチコピーがある。
 それが今回の広告に合っているのかはわからないけれど。

 快晴へ向けた言葉。
 永遠に変わらない快晴への思い。

「言葉」としてこのたくさんの快晴への感謝の気持ちを表現するなら絶対にこれだと思っていること。

 ある程度構図や案が浮かんでから、手帳とめくる。締め切りまであと一か月もない。

 私はスマホを掴むと征規と春那に電話をかけた。