わかっている。知ってもいる。

『親友だ』って笑ってくれた快晴に会いにも行かないなんて酷いヤツだって。

 きっと快晴も『ふざけんな』って怒っているだろうってことも。

 征規が怒るのも当たり前だ。
 いつだって私を助けてくれた快晴に酷いことをしているのだから。春那は私の気持ちをくみ取って話してくれているけれど、内心はいい気分ではないだろう。それもよくわかっている。

 でも行くのが怖い。

 快晴の大学の合格発表を見に行った時、辛くて悲しくて、それより心が痛すぎて、人目なんか気にしないで大声を上げて泣いた私。
 もうあんな思いをしたくない。臆病なんだってわかっている。快晴とのことに蓋をすることで私が唯一、前に進める方法だって思っているけれど、実際あの時から私の何が変わったのか?ただ臆病になっただけだ。嫌なこと、辛いことに蓋をするすべだけを身に着けた臆病な私が現実の私なのだ。