受験もなんとか終わって、4人でお疲れ会をしている。

 ファミレスだけど。長居ができるのが嬉しい。

「大学行ったら思い切って髪切ろうかな」
 ダラダラとご飯を食べていると春那が言った。

「え?そんなキレイな長い髪切るのもったいないよ」
 私はそう言ったけれど、春那は首を振った。

「高校で全然彼氏できなかったし。髪の毛の呪いだよ」

「髪の毛のせいじゃなくて春那の裏表性格に問題あるんじゃねーの?」
 征規がパスタを食べながら言った。

「うるせー‼お前も彼女出来てもすぐ終わってるだろうが‼お前にだけは言われたくねー‼」

 ファミレスのテーブルをバンバン叩きながら春那がキレている。

 こんなこともいつものことだから、快晴と私は黙ってご飯を食べている。

 でもこうやって4人で集まることも減るんだろうな。

 大学にみんな合格したら、それぞれ忙しいし、春那なんて在籍中にネット通販からブランドを立ち上げたいって言ってるし。

 高校時代のようにいつもみんなでバカ騒ぎもできなくなって、どんどんと大人になるのかな……。

 大人になったみんなは、快晴は、私はどんな風になっているのかな?

 オムライスを食べながら快晴をチラ見する。

 いつか、どっちが先なのかはわからないけれど、大事な人ができたら紹介するんだよね?

 私は人見知り、快晴は無愛想。そんな私たちに大事な人が本当にできるのかな?

 その時は、快晴がしっかりジャッジしてね?
 快晴の彼女は私がジャッジするから。
考えただけでクスって笑ってしまう。

 そしていつか、快晴の家族、私の家族はもちろんだけれど、征規や春那の家族も一緒に仲良くできればいいな。

 いつになるかわからないけれど、まだ未成年の私たちには夢や希望がたくさんある。

 その中の一つに、家族ぐるみで仲良くできたらいいなって理想を持つのもいいよね?