＊＊＊＊＊＊＊

　ランチのコースを食べて、食後のコーヒーを飲んでいると、彼はふと言った。

「あれ？征規くんと春那ちゃんには俺、紹介されて会っている。でも快晴くんって人の名前知らない」

「会ってないし、快晴の話し、したことないからね」
　私はカップに口を近づけながら言った。

「なんでだ？征規くんも春那ちゃんも快晴くんとは友達だろ？もちろん雫だって。親友だろ？なぜ、俺はその快晴くんに会えてないんだ？」

「遠くにいるから」

「あ、もしかして海外とか？それなら会えないよな」

「この店もう出ないとダメなんじゃない？」

　周りをみると人もまばらになっている。

「大丈夫だよ。ピークすぎただけだろ？それより話に続きはあるんだろ？」

　手元のカップに視線を落としながら
「あるよ。ここからが今までより大事な話になる」
　と私は呟いた。

＊＊＊＊＊＊＊