冬休みもあっという間に終わり、授業もほとんど受験のための自習になっている。

 受験が終わった春那は自習時間に爆睡中。

 4人で遊ぶのがあんなに楽しかったのに、今や放課後は図書館で勉強ばかり。

 春那は頭がいいから教えくれている。

 いつもふざけてばかりの私たちが真剣になっている。
 自分の夢、なりたい自分を目指すために。

 大人になったら今目指している進路とは全く別な職業に就いているかもしれない。もし、未来がそうだったとしても、私たちの必死さは一生役には立つかもしれないから。

 冬休みのお土産で渡した大宰府天満宮の御守りはみんなすごく喜んでくれた。

「これでもう受かったと同然だ‼」
 と叫ぶ征規に
「神頼みはいいけどは自分の努力を忘れずに。神様は大丈夫って背中押してくれるだけだから」
 春那が容赦なく言い放った。

 それを聞いて快晴と吹き出す。

「気休めにしかならないけどねー」
 私もみんなとお揃いにした御守りを見ながら笑って言った。

「意外とご利益あるかもだぞ?今まで大変だった雫が買ってきたんだから、雫にはご利益は当然あるだろうけど、俺たちもおこぼれ程度で合格させてくれそうだよな」

 快晴を見ると目の前に御守りをぶら下げながら、ご利益―ご利益―と変なオリジナル曲を歌っている。