「でもそんなイメージすぐなくなったよ。だって、鳴はかっこいいのに、すっごく優しくて、素敵な子だったから……すぐ好きになったもん」
「そうか……少し照れるな。ありがとう」
「あのね、そうじゃなくて……」
今にも気持ちが溢れ出しそう。だけど、口にしてしまって本当にいいのだろうか。
あたしの中で、今さらながら迷いが生じる。
「柚夏。」
口を閉ざしてしまったあたしの頭に、ぽんと手が置かれた。
「め、い?」
「ありがとう。多分、私のことを慰めようとしてるんだよな」
「あ……」
「私は中学の時から菜穂のことが好きだった。もちろん、恋愛的な意味でな。
柚夏は気づいてるんじゃないか、と何となく思っていた」