「本当だね、おめでとう」




 鳴の声を聞いて、あたしも言わなければならない言葉をようやく口にした。



 あたしは知っている。


 鳴はずっと、奈穂に片想いしていた。


 ずっとずっと前から。




 あたしはそんな鳴のことが、ずっと好きだった。




 誰にも決して言えない、秘密の片想い。