「柚夏の気持ち、嬉しい。でもごめん、やっぱり柚夏を不幸にしたくないから。
あと、万が一菜穂に同じように想われることがあっても、こうやって答えてた」
「分かってる。いいの、もともと応えてもらえる気持ちだなんて思ってないし」
「柚夏……」
「でも鳴、せめて辛い時は……泣きたい時は、頼ってもらえるような関係にはなりたいなって。鳴、すぐ抱え込んじゃうから」
「ふっ、そんなこと言われたら、頼りきりにしてしまうぞ」
「いいよ。慰めるのそんなに上手じゃないかもだけど」
鳴は、頭をあたしの肩にそっと預けてきた。
あたしはその頭を、恐る恐る撫でる。
さらりとした鳴の黒髪に、光が反射して輝き、とても綺麗だ。