「やっほー。今日はあたしが最後だったね」
特別教室棟の二階。美術準備室の戸を開くと、鳴と奈穂は既に机の上にお菓子を広げて談笑していた。
「珍しく遅かったな、柚夏」
「もう!今日は期間限定のレアなチョコ持ってきたんだから!柚が来る前に鳴とうちで全部食べちゃうとこだったよ」
「うそ〜!それ私がずっと食べたかったやつじゃん!残しといてよ〜」
頼れるお姉さんタイプの鳴と、可愛い物が大好きなイマドキ女子の奈穂。それからよく天然と言われてしまうどんくさいあたし、柚夏。
全然タイプの違う三人だけど、周りからは姉妹みたいと言われるほど仲が良い。