なぜか私の席は鬼童丸さんの隣に座っている白蓮さんの横に残されていて、勘介くんと和花さんは向かいに腰を下ろしている。
大男ふたりの横に大人の女がふたり対小柄な和花さんと勘介くんという若干バランスの悪い配置は、私がここに座るからなのか、雪那さんが無理やり鬼童丸さんの隣に座ったからなのか……。
ここは黙っておくほうが無難だろうな。
「皆で食べるなんて感激です!」
勘介くんが弾んだ声をあげる。
「いつもはどうしてるの?」
「いつもはお部屋で別々です」
今度は和花さんが教えてくれた。
「こんなことは思いつきもしなかった。なかなかいいものだな。それにしても、いい匂いだ。さあ食べよう」
白蓮さんはこうして皆が集まったことを楽しんでいるようだ。顔がほころんでいる。
大皿から取り分けたあんかけおこげは、作りすぎたかもしれないと心配していたのにみるみるうちに減っていく。